紙管理からの大改革!案件進捗の見える化が及ぼす好影響とは…?
- COMPANY PROFILE
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会社名 非公開 事業内容 注文住宅の設計・施工・販売
建売、分譲住宅の販売
賃貸管理所在地 非公開 従業員数 非公開 webサイト 非公開
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課題
- 営業活動の属人化
- 月末に実施される営業実績の集計にかかる多大な工数
- 追客に対しての意識が希薄
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導入効果
- 一目で営業活動の進捗が把握でき、社内コミュニケーションが円滑に
- ダッシュボードの活用により集計にかかる工数を大幅に削減
- 顧客ランクの定義付け及びPardotでの追客活動により、潜在顧客の掘り起こしに成功
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導入の経緯
- 「聞かないとわからない組織」からの脱却を目指して
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東海地方に拠点を構え、住まいを通じてお客様へ幸せを届けている住宅会社B社。今では顧客管理はすべてデジタル化され、紙での管理はほとんどしていないと語る某B社だが、Salseforce導入前の管理方法には多くの課題があったという。
導入前、一番の課題となっていたのは個々に依存する営業活動の管理方法だ。当初、営業をする上で最も重要な顧客情報を社内システムで管理をしていたものの、案件進捗は各営業担当がExcelで管理をしていたという。案件の記録を残すかどうかは個人の裁量に任せていたため、案件管理の精度に個人差が生じていた。これにより、管理者がそれぞれの案件進捗を管理するためには、各営業に口頭確認をしないと把握ができず、マネージャーと営業の間で重大なコミュニケーションロスが発生していた。
また、月末の営業実績の集計にもかなり手間がかかっていた。毎月末、各営業が実績報告のExcelを作成し、集計担当へ提出。集計担当は、営業がきちんとデータを提出しているのかを確認した上で、提出されたデータをまた別のExcelにまとめ、会議の資料としていた。
マネージャーも各営業の案件進捗を常にしているわけではなかったため、連絡の取れない顧客や確度が低いと判断した案件に追客の指示が出来ず、見込客へアプローチをすることはほとんどできていない状況であった。
上記の課題点を解決できるツールを模索していたところ、Salesforceが最も某B社の要望を叶えられると判断し、導入を決意したという。atsumelが不動産住宅業界に特化した導入コンサルティングを提供していることに期待を感じ、ベンダーとしてSalesforce環境の構築を依頼した。
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導入後の効果
- 案件の一元管理により、データでコミュニケーションをとれる組織へと成長
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導入後、まずはこれまで各営業がExcelで管理をしていた案件をすべてSalesforce上に集約した。顧客に関する基本データだけでなく、顧客に対するアプローチの履歴や細かな顧客のランクもSalesforce上で管理。今まで聞かないと把握することができなかった営業個々の案件の進捗が一目でわかるようになり、管理者は適切なタイミングで適当なアドバイスを営業にできるようになった。
「毎週行っている支店全体の営業会議では、顧客のランク・アプローチ状況などに応じて案件進捗を確認しています。登録されているデータを元に、現状のアプローチ方法・量は適切であるのかなど、管理者目線で営業に向けてアドバイスができるようになり、データを用いた社内のコミュニケーションが取れています」と事務担当のY氏は語る。
また、事務員が毎月末に対応をしていデータ集計作業は、Salesforceに登録さえしていれば自動集計されるようになったため、大幅に作業工数の削減をすることを実現した。
更に、導入前の課題であった「潜在的見込み客へのアプローチ」という点でも一役買っている。以前は見込み客に対して追客をするという意識があまりなかったが、営業の案件進捗が可視化されたために、進捗が滞っている顧客を発見することができた。驚くべきことに、これらの見込客のweb行動をトラッキングしてみると、住宅建築のために行動している潜在的顧客が多数いることが発覚したという。限られた営業のリソースですべての顧客の追客を行うことは難しいが、マーケティングオートメーションのPardotの機能を活用することで、パーソナライズされた見込み客への自動アプローチの強化を実現。さらに、営業からの直接アプローチが効果的だと判断した顧客に関しては、営業が直接フォローする仕組みを整えることで、見込み客に対しての追客の意識づけを行うことができた。
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運用のポイント
- 経営層によるSalesforce利用の社内周知と入力ルールの徹底
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社内のSalesforce定着のため、まず初めに取り組んだことは説明会の実施だ。
操作方法の説明だけでなく、『なぜSalesforceを利用するのか』といった目的を経営層から説明することで、社員一人一人に目的意識をつけることに成功。「中には新しいシステムに抵抗を持つ社員もいたため、そういった社員に関しては、事務作業員への営業活動報告を義務付け、営業担当が直接データ入力をしなくても良いとするなど、社内での利用推進において工夫も加えました」と役員のA氏は言う。
また、紙で管理をしていたデータをすべて排除しSalesforceに集約し、デジタイズしたことも効果的であった。データの入力がなければ数値としてSalesforce上で確認できないことから、ある程度強制力をもって社員へのデータ入力を促していった。さらに、データの入力が確認できない場合、各支店の営業アシスタントに問い合わせをし、営業のデータ登録を促すよう社内の伝達フローも確立されているため、入力漏れがあった際の対応も徹底している。
Salesforceのデータをもとに営業の評価がされ、データを入力しなければ自身の活動も評価されないため、各営業のデータ入力は滞りなく進み、各々が当事者意識をもって積極的にデータ入力をする文化を創造することができた。
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今後のビジョン
- インサイドセールス×データ分析による追客強化を目指して
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某B社では、最近インサイドセールスを立ち上げ、すでに稼働が始まっている。新規顧客のみならず、Salesforce導入から約2年で蓄積したデータを活かし、既存顧客へのアプローチもインサイドセールスからするなど、追客に対しての意識が非常に高まっている。インサイドセールス立ち上げから僅か2カ月にして、すでにインサイドセールスが取得した案件で成約もとれており、順調な走り出しを見せている。
しかし、某B社はそれだけでは満足していない。これまで蓄積したデータを元に、顧客属性(年齢・案件フェーズ・家族構成など)に応じて、各営業担当の得意・不得意、各案件フェーズからの成約率を細かく分析をし、顧客管理や営業管理だけでなく、人材育成という点においてもSalesforceのデータを利用していきたいという。
A氏は「弊社はSalesforce・Pardotの活用において、未知な部分があり自社のベストプラクティスを創り出していくのが難しい場面が多くあります。不動産住宅業界の最新のトレンドやatsumelさんの成功事例を是非共有いただきながら、弊社にあった提案がいただけると大変嬉しいです」と今後に期待をにじませた。