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Salesforceの名寄せ方法は?重複ルールの設定から高度な活用術 2026年03月05日

Salesforceの名寄せ方法は?重複ルールの設定から高度な活用術

「salesforceの導入を検討しているけれども、重複入力されたデータ管理ができるか・・・」
「同じ顧客がいくつも登録されているけど管理方法が分からない・・・」
上記のような悩みを抱えているSalesforceを運用する担当者は後を立ちません。重複されたデータが放置されたままにすると、営業担当者が「Salesforceは信頼できない顧客情報が入った環境だから使いづらい、、、」といった評価を受けてしまうかもしれません。

そうした困りごとを解決するしてくれるのが、名寄せ作業です。Salesforceでは標準機能で名寄せ作業を行うことができます。本記事を読んでいただきSalesforceの名寄せについて理解を深めてください。

CONTENTS
  • 名寄せとは?

    「名寄せ」とは、同一人物や同一企業のデータがべつべつシステムに登録したを一つに統合し、データの重複を解消する作業のことです。

    例えば、ある企業を「株式会社atsumel」と「(株)atsumel」という異なる名称で登録されていたり、同じメールアドレスを持つ担当者が複数登録されていたりする場合、これらを同一のエンティティ(実体)として紐付けて管理していく必要があります。

    名寄せ前の重複レコードと名寄せ後の統一されたレコードのイメージ

    なぜSalesforceで名寄せが重要なのか?

    データの重複は、データを入力する営業が多ければ多いほど、発生する傾向があります。顧客管理ができるSalesforceにおいて、名寄せが不十分だと以下のようなリスクが発生します。
    • アプローチの重複: 同一人物に複数の営業担当が連絡してしまい、不信感を与える。
    • 顧客理解の精度が低い:活動記録を別々のレコードに登録することで、過去に接触した際の顧客行動の理解精度が低くなる。
    • 分析精度の低下: 正確なLTV(顧客生涯価値)や受注率の算出ができなくなる。
    • 工数の無駄: 過去のやり取りが別レコードに紐付いているため、履歴を探す手間が増える。

    上記のような名寄せが不十分になったままSalesforceで顧客管理をしていくと、せっかくのSalesforceの力を存分に発揮することが難しくなってしまいます。

    Salesforceを利用する人が信頼できる顧客管理の場であると理解されるためには、適切な名寄せの運用が不可欠といえます。

     

  • Salesforceで名寄せをよく行うデータ

    実際の運用現場で、Salesforceが扱う名寄せ対象のデータは多岐にわたります。様々なデータに対して名寄せが行われていますので、ここでは名寄せ対象になるデータを確認してきましょう。

    データ入力に携わる営業担当者の人数が多ければ多いほど、入力ルールが形骸化し、重複データが発生しやすくなる傾向があります。組織が拡大する前に、どのような情報を軸に名寄せを行うべきか整理しておきましょう。

    ①「個人」情報を使った名寄せ

    まずは個人単位の顧客情報で名寄せを行うデータについて説明します。Salesforceでは、リード(見込み客)や取引先責任者、個人顧客の重複を排除するために名寄せを行います。
    以下のような名寄せルールに基づいてデータ管理を行っています。

    • 氏名・カナ: 漢字の変換ミスや、姓・名の逆転などを判定します。
    • メールアドレス: 最もユニーク(一意的)なキーとして重宝されます。
    • 電話番号: ハイフンの有無や市外局番の入力形式の違いを判定します

    ②「企業」情報を使った名寄せ

    法人単位では、取引先名だけではなく事業所単位の住所も含めて名寄せを行うことがあります。法人単位で取引先データをクリーンに保たないと、取引先に紐づく取引先責任者の管理にも影響するため、名寄せはために不可欠です。

    • 取引先名: 「株式会社」の有無、前株・後株、英字表記とカタカナ表記の揺れを統合します。
    • 法人番号: 国税庁が発行する13桁の番号。名称の揺れに左右されないため、最強の照合キーとなります。
    • 住所: 本社・支店の判定や、建物名の入力差を判定します。

    ③その他情報を使った名寄せ

    Salesforceで名寄せが必要なケースは個人単位や法人単位だけではありません。Saleforceに備わっている柔軟性を活かし、さまざまな名寄せが行われています。カスタマイズされたデータ情報の名寄せ例を紹介します。

    • 物件マスタ: 不動産業界などは、住所に紐づく物件情報を管理している場合に名寄せが必要です。「所在地」や「物件名」もしくは「所在地+物件名+部屋番号」をキーにして、同一物件の二重登録を防ぐことが求められます。
  • Salesforceの名寄せを行う方法

    Salesforceで名寄せを運用していくには、大きく分けて「標準機能の活用」と「外部ツール連携」の2つのアプローチがあります。外部ツールと言うと敷居が高そうですが、Salesforce専用のアプリで連携を行えば、そこまで導入ハードルは高くありません。まずはコストを抑えて即効性の高い、標準機能から見ていきましょう。

    ①Salesforceの「重複管理」機能を活用する

    Salesforceには、データの重複を未然に防ぎ、既存の重複を見つけ出す標準機能が備わっています。標準機能の「一致ルール」と「重複ルール」を把握しましょう。

    一致ルールと重複ルールを使いこなす

    標準機能を活用した名寄せで設定は、「一致ルール」と「重複ルール」の組み合わせで行います。一致ルールで名寄せ判定を行い、名寄せになった場合の動作制限(レコードを作成させない or アラートのみ)を重複ルールで設定します。

     

    一致ルールは「どの項目」が「どう一致」したら重複とみなすかの条件を定義します。完全一致だけでなく、氏名の「佐藤」と「サトウ」を同一視するような「あいまい一致」も設定可能です。
    一致ルールの設定画面

    重複ルールは、 一致ルールで重複と判定された際、「作成をブロックするか」「警告を表示して保存を許可するか」といったアクションを制御します。
    重複ルールの設定画面

    重複機能で実現できる高度な処理

    単に「見つける」だけでなく、以下のような運用も可能です。

    重複したレコードをマージする画面

    • 優先レコードの選択: 複数のレコードをマージ(統合)する際、どの項目の値を最新(正解)として残すかを項目ごとに選択できます。
    • 関連情報の継承: レコードをマージすると、紐付いていた活動履歴や商談などの関連リストも、自動的に統合後のレコードに転送されます。

    複合キーによる高度な判定

    「メールアドレスだけ」では不十分な場合、複数の項目を組み合わせた「複合キー」による判定が有効です。

    • 製造業:「機器のシリアル番号 + 型番」で製品マスタを特定
    • 医療機関:「患者ID + 検査日」で特定の診療レコードを特定 このように、業務特性に合わせたユニークな組み合わせを一致ルールに設定することで、誤統合を防ぎつつ精度を高めることができます。

    ②外部ツール(AppExchange)連携で高度な名寄せを行う

    標準機能でも多くのシーンで名寄せ対応可能ですが、さらに高度な名寄せの運用が必要な場合は、Salesforce専用アプリ(AppExchange)の導入を検討します。

    「Sansan Data Hub」による高度な名寄せ

    代表的なツールの一つが「Sansan Data Hub」です。Sansan Data HubはSansanの正確なデータを基に、高精度な法人単位の名寄せが可能です。法人単位以外に、事業部や拠点単位で高精度な名寄せを行う場合に、推奨されます。

    • 名刺データの活用: 正確な名刺情報を基軸に、Salesforce内のデータを自動で名寄せします。
    • 外部データベースとの照合: 帝国データバンクなどの企業情報と自動照合し、社名や住所を最新の状態にアップデートしながら名寄せを実行できます。

    Salesforceで名寄せを行う場合は、標準機能で運用を検討を行い、高精度な名寄せを必要とする場合は、AppExchangeなどで外部ツール連携を行いましょう。

    もちろんSalesforceは顧客リストをCSVなどでエクスポートができますので、エクスポートしたExcel等からマージして再インポートする名寄せも可能です。ただしこの方法は、手作業はミスや先祖返りのリスクが伴うため、可能な限りSalesforceの標準機能を正しく設定し、システム内で完結させる運用を推奨します。

  • 名寄せ必要な重複データをSalesforceでメンテナンスする方法

    重複ルールを設定しても、過去に登録されたデータや、Salesforce標準機能の重複アラートを無視して作成されたデータは存在し続けることになります。こうしたデータを放置しないための方法を説明します。

    重複判定されたデータをレポートでモニタリングする

    「どのくらいの重複が発生しているのか」を可視化するために、標準機能で作成することができる重複レコードのレポートを作成しましょう。
    重複レコードレポートの作成は、重複ルールを作成する際に「レポート」にチェックを入れることで、重複と判定されたレコードをレポートにすることができます。
    重複したレコードのレポートを作成するための設定画面

    重複の可能性があるレコードにメッセージを表示させる

    Salesforceにログインしたユーザーが、レコード画面のページに「このデータ、他にも同じものがありますよ」と気づかせるページ要素を構築することができます。レコードページに、重複コンポーネントを配置することで重複の可能性があることを知らせることができるようになります。
    レコード画面で確認できる重複レコードのアラート箇所
     
  • よくある質問

    質問①:Salesforceの標準機能で名寄せの管理は十分ですか?

    回答:標準機能による重複判定で問題なければ十分対応可能です。外部の企業データベースを必要とするような高精度な名寄せは、SalesforceアプリのAppExchangeの導入を検討するのがおすすめです。標準機能で対応可能かどうか不安な場合は、当社のSalesforce運用サービスまでご相談ください。

    質問②:名寄せした後のデータはどうなりますか?

    回答:名寄せは、重複するレコードの1つを「マスターレコード」として残します。そして、残りのレコードは削除されます。名寄せでマージする際は、どちらのレコードの値を優先するか(例:電話番号はAさんのデータ、住所はBさんのデータなど)を項目ごとに選択することができます。

    また、重要な点として、削除された方のレコードに紐付いていた「活動履歴」「商談」「ケース」などの関連リストは、自動的にマスターレコードへと引き継がれます。そのためデータが消えて履歴が追えなくなる心配はありません。

    質問③:標準機能による設定は簡単ですか?

    回答:ステップ自体はシンプルですが、事前の「重複の定義」が重要です。設定自体は「一致ルールを作る」→「重複ルールを作る」の2ステップで、プログラミングなどの専門知識は不要です。ただし、本番運用を行って利用者に支障が無いようにすることが重要なため、少数のデータでテスト運用し、誤判定が起きないか確認しながら本番適用するようにしましょう。
     
  • まとめ

    Salesforceにおける「名寄せ」は、単なるデータの整理整頓ではありません。営業活動の効率化、顧客体験向上に重要な作業です。また、名寄せされた環境をSalesforceにすることで、利活用の促進を行うことができます。

    Salesforceを導入したものの「データが重複だらけで活用できていない」「名寄せの設定をしたいが、自社の業務に最適なルールがわからない」とお悩みの場合は、Salesforceの定着化・活用支援のプロフェッショナルであるatsumelの「Salesforce運用・保守支援サポート」にご相談ください。

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