【重要】Salesforce送信メールの仕様変更:Spring '26からのドメイン検証義務化と対策 2026年03月10日
2026年3月の「Spring ’26」リリース情報で、メールのセキュリティ向上や高い到達率を目的として「ドメイン所有権の検証」が義務化されることになりました。
この義務化に伴う設定がされていない場合は、ある日突然Salesforceからのメール送信が一切送信できなくなる場合があります。本記事では、今回の変更に対する概要から対応期限、具体的な回避策についてまとめましたのでご確認ください。
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変更の概要と影響範囲
これまで自社ドメイン(例:xxx@atsumel.jp)によるSalesforceから配信するメールは、「送信者個人のメールアドレス」が検証されていればメール送信が可能でしたが、今後は「ドメインそのもの」の所有権証明が必須となります。
この変更が適用された後は、以下のようなケースで影響を受けます。
影響を受ける主なケース
- レコード画面からのメール送信
- 標準画面やフロー、Apexコードからの配信メール
- 自動レスポンス、承認プロセス、レポート・ダッシュボードの自動配信
- Experience Cloudからの通知やメールリレー利用環境
上記のケースで、メールの差出人(From)が自社ドメイン(@atsumel.jp)になっている場合は、その自社ドメインが、今回のアップデートに該当する「ドメイン所有権の未検証」の場合は、エラーとなります。
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影響を受けないケース
以下に該当する場合は、今回のドメイン検証義務化の影響を受けません。
- パブリックドメイン:Gmail (gmail.com) や Outlook (outlook.com) などの共有ドメイン。
- システムアドレス:noreply@salesforce.com などのシステムアドレス
- 連携機能:Einstein 活動キャプチャ (EAC)、Gmail/Outlook 連携機能を経由した送信。
- 特定組織: Salesforce Free Suite やトライアル環境など、Salesforceの代用ドメインを利用している組織。
影響を受けないケースであれば対応不要ですが、今後の利用範囲が拡大した時に、今回の対応は必要になってきますので、今回を機に対応いただくことを推奨します。
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アップデートが適用されるスケジュール
適用は2026年3月9日から段階的に開始されます。利用状況に応じて以下の期限までに設定を終える必要があります。
対象
期限
新規組織・新ドメイン
2026年3月9日以降、即時 既存のSandbox環境 2026年3月30日まで 既存の本番環境 2026年4月27日まで ※既存ドメインとは、2026年3月9日時点で過去30日間に送信実績があるものを指します。
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アップデートまでに行うべき2つの対応方法
影響範囲に該当するメール配信を継続するには、メールのドメインを管理するDNS管理者と連携した上で、以下のいずれかの設定を行う必要があります。
DKIM鍵の設定
メールにデジタル署名を付与し、改ざん防止と信頼性を担保する標準規格です。メリットは、セキュリティが強化され、スパム判定を受けにくくなります。手順は以下の通りです。
- [設定>DKIM鍵]でSalesforceの設定画面に移動して、DKIM鍵を発行します。
- DKIM鍵の発行を待ちます。鍵の発行を確認できたら、「CNAMEレコード」及び「代替CNAMEレコード」の情報を社内のDNS管理担当者に共有します。
- (メールの)ドメインを管理しているDNSサーバーに情報を登録します。
- DNSサーバーに登録後、Salesforceの[設定>DKIM鍵]から作成したDKIM鍵を有効化します。
承認済みメールドメインの登録
DKIMを利用できない場合の代替手段です。

- [設定>承認済みメールドメイン]でSalesforceの設定画面に移動します。
- 「追加」ボタンをクリックしてドメイン名を入力した上で「保存」します。
- 保存後に発行された検証キーを、DNSサーバーに「TXTレコード」として登録します。
- その後、Salesforceの設定画面で所有権を有効化します。
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よくある質問(FAQ)
質問:ユーザー個人のメールアドレスを「検証済み」にしていれば、今回の対応は不要ですか?
回答:いいえ、対応が必要です。「ユーザー個人の検証」は、そのメールアドレスを本人が所有しているかの確認ですが、今回の「ドメイン検証」は、そのドメイン(@atsumel.jp)自体をSalesforceから送信することを許可するという、より高いレベルの認証です。個人の検証が済んでいても、ドメイン検証が未完了であればメールは送信できません。
質問:Experience Cloud やコミュニティサイト、パートナーユーザーからの送信も対象ですか?
回答:はい、ライセンス種別を問わず、すべてのユーザーが対象です。Experience Cloudの通知メールや、パートナーユーザーのメールアドレスを使って送信する場合は、その送信元アドレスのドメインを検証済みにする必要があります。
質問:フローやApexで「現在のユーザー」を差出人にしている場合、どうなりますか?
回答:そのユーザーが使用しているドメインが未検証であれば、自動メール送信はエラーとなります。回避するには、「当該ドメインに対してDKIMまたは承認済みメールドメインの設定を完了させる」か、「差出人を検証済みの組織のアドレスに変更する」対応を行ってください。
質問:Sandbox環境をリフレッシュした場合、設定は引き継がれますか?
回答:いいえ、引き継がれません。Sandboxや本番環境では、固有のDNSレコードを登録し、個別に検証を行う必要があるため注意してください。
質問:メールに使われているドメインを確認する方法はありますか?
回答:最も確実な方法は「メールログ」の取得です。 [設定> メールログファイル] からメールログをリクエストして、「Fromアドレス」を確認することができます。
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まとめ
本番環境の最終期限は2026年4月27日ですが、DNSの反映待ちや予期せぬエラーを考慮して、余裕を持ったスケジュールで進行することをおすすめします。今回の対応や運用・保守にお困りの場合は当社の「Salesforce運用・保守支援サポート」までご相談ください。