ノーコードで実現!Salesforceフローによる自動化推進のステップ 2026年04月30日
Salesforceを導入したものの、「日々の定型業務が減らない」「入力漏れや対応漏れが解消されない」とお悩みではありませんか?
以前はプログラミングが必要だった複雑な自動化も、今は「フロー」の機能を使うことで、ノーコードで実現できるようになっています。
本記事では、フローの基本概念や4つのタイプ別の使い分け、さらには実務でそのまま使えるフローの作成ステップを詳しく解説します。
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ノーコードで自動化ができるフロー(Flow Builder)とは
Salesforceの標準機能として備わっている「フロー(Flow Builder)」とは、ノーコード(プログラミングコード不要)で、高度な業務プロセスを自動化できるツールのことです。ノーコードにカスタマイズ性が低いイメージを持つ人もいるかもしれませんが、Salesforceのフローは、かなりカスタマイズ性が高くなっています。またノーコードのため、メンテナンスが容易で開発コストも抑えられる傾向があります。
また、Salesforceには「ワークフロールール」や「プロセスビルダー」といった自動化機能がありますが、現在はフローが標準の自動化手段となっています。
直感的な構築がフローでできる
フローの最大の特徴は、ビジュアル的に自動化を組み立てられる点です。画面上に「要素」と呼ばれるパーツを配置し、それらを線でつなぐことで、「もし〜という条件を満たしたら、◯◯という処理を実行する」という設計にすることができます。
パズルを組み合わせるような感覚で設定できるため、エンジニアではない現場の管理者や担当者でも、自社の運用に合わせたカスタマイズが可能です。
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フロー(Flow Builder)の4つの主要タイプと使い分け
フローでは自動化したい業務の用途に応じて使い分けるいくつかの種類があります。この記事では、フローでよく使われる4つを紹介します。
① レコードトリガーフロー
レコードトリガーフローは、レコード更新などのイベントに即座に反応させるための自動化に使います。例えば Salesforceのレコード(取引先や商談など)が「作成された」「更新された」「削除された」タイミングで自動実行されます。
以下のような自動化を必要としたケースでレコードトリガーフローは採用されます。
- 商談が「成立」に変更された瞬間に、お礼メールを自動送信する。
- 取引先の住所が変更された際に、関連する連絡先情報の一括更新を行う
- 期限を過ぎた未完了タスク(ToDo)を持つ、担当者へ自動アラート通知
② 画面フロー
画面フローは、「対話型」の入力画面を開発することができ、入力した情報を持ってデータ更新などの自動化に使うことができます。Salesforceの画面上に専用の入力フォームやウィザードを表示し、入力情報をもとに処理を進めることができます。
以下のような自動化を必要としたケースで画面フローは採用されます。
- 電話や直接アンケートといったヒアリングをステップごとに入力させた上で、最後に一括でレコードを作成する。
- 複数のオブジェクト(取引先、商談など)にまたがる情報を、1つの画面でまとめて更新する。
- ユーザーの選択肢に応じて、次に表示する項目や進むべきステップを動的に変更する。
③ スケジュール済みフロー
スケジュール済みフローは、決まった日時にまとめて処理を行う「バッチ処理」の自動化に使います。特定のイベントを待つのではなく、「毎日」「毎週」といった設定したタイミングで条件に合うレコードを探し、自動実行されます。
以下のような自動化を必要としたケースでスケジュール済みフローは採用されます。
- 毎朝9時に、完了予定日を過ぎている未完了タスクを抽出して担当者に一括通知する。
- 契約終了日の30日前になった顧客レコードを自動で特定し、更新案内のToDoを作成する。
- 夜間に、その日に更新された大量のデータを集計してレポート用の項目へ書き込む。
④ プラットフォームイベントトリガーフロー
プラットフォームイベントトリガーフローは、外部システムや他機能からの通知に反応させるための自動化に使います。Salesforce内部だけでなく、外部ツールからの「イベント信号」を受け取ったタイミングでリアルタイムに実行されます。
以下のような自動化を必要としたケースでプラットフォームイベントトリガーフローは採用されます。
- 外部の在庫管理システムから「在庫切れ」の通知を受信し、関連する商品ステータスを即座に更新する。
- 決済代行サービスから「入金完了」の信号を受け取り、商談の入金ステータスを自動で完了にする。
- 他の高度なプログラム(Apex)から送信された特定のイベントをキャッチして、複雑な後続処理を行う。
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【実践】フロー作成の基本ステップ

ここでは、放置案件を防止する「完了予定日が過ぎた商談へのアラート通知」フローの作り方を解説します。このフローを作れば、うっかり忘れていたタスクをシステムが自動で教えてくれるようになります。STEP0:フローの設定画面から新規作成画面を開く
まずはフローの設定画面に遷移します。「設定」のメニューから「フロー」を探してクリックします。クリックしたら画面右上にあるボタン「新規フロー」をクリックします。

新規フローの画面をクリックしたら、どのタイプのフローかを選択する画面が表示されます。今回の事例はレコードトリガーフローなので、レコードトリガーフローを選択します。

レコードトリガーフローを選択したら、真っ白なキャンパスが表示されますので、フローの設定を行なっていきます。
STEP 1:トリガーと実行タイミングを設定する
まずは、どのデータがどうなった時にフローを開始するかを決めます。
オブジェクトに「商談」を選択し、設定を「レコードが作成または更新された」にします。
補足「このフローを作成する際は、必ずエントリ条件で『完了フラグがFalse(未完了)』のものだけに絞り込みましょう。無駄な動作を減らすことが、エラーのない安定した自動化の秘訣です。また、全件を一度にチェックしたい場合は『スケジュール済みフロー』という選択肢もありますが、変更に即座に対応したいなら今回の『スケジュール済みパス』が最適です。」さらに、実行タイミングとして「スケジュール済みパス」を追加し、「完了予定日から0日後」に実行されるように設定します。

「スケジュール済みパス」を使うことで、データが更新された瞬間ではなく、「特定の日の当日や数日後」にアクションを起こすことができます。
補足これにより、完了予定日が来たら自動で動き出す「予約」が完了します。もし途中で完了予定日が変更されても、Salesforceが自動で予約時間を調整してくれます。STEP 2:最新の商談データを再取得する
ここが実務において最も重要なステップです。フローが「予約された時」ではなく、「実行される瞬間」の最新情報を取得します。
キャンパスの「+」をクリックして、「レコードを取得」要素を追加します。トリガーとなった商談のIDを使って、自動化を実行する時点の商談情報を改めて読み込みます。

なぜ必要か: 予約してから実行日(完了予定日)までの間に、他の誰かが商談を「受注」や「失注」に変更している可能性があるからです。古い情報(予約時のデータ)のまま動いて誤通知を送るのを防ぎます。
STEP 3:通知が必要な状態か判定する(決定要素)
完了予定日が過ぎていても、すでに「受注」や「失注」していれば通知は不要です。未完了の商談だけを絞り込みます。
再取得した最新データを見て、本当にアラートを送るべきか判断します。
キャンパスの「+」ボタンから「決定」要素を追加して、条件を設定します。分岐する条件には、前の要素で取得した最新の商談情報({!Get_Opportunity_Data.IsClosed})に対して「完了フラグ(IsClosed)」が 偽(False)を設定します。これで商談が未完了か完了済みかで対応を分けることができます。

STEP 4:アラート通知(メール送信)を作成する
条件に合致した(=期限が過ぎても未完了の)商談の担当者に送るメッセージを作ります。
「+」をクリックして「アクション」を選択して、「メールを送信」アクションを追加します。ここでは、宛先や件名、本文を指定します。まずは送信先(受信者アドレスリスト」に「商談の所有者(担当者)」を指定します。

件名や本文には、取得したレコードの「商談名」や「金額」などを埋め込むことが可能です。どの案件に関する通知かをひと目で分かるようにしましょう。この事例では、本文に「{!$Record.Name}」を入れることで、商談名が本文に自動で挿入されるようになっています。

STEP 5:有効化する
最後に、有効化を行います。問題がなければ、「新規バージョンとして保存」をクリックした上で、フローの表示ラベルやフローのAPI参照名をした上で「保存」をクリックします。最終的に画面右上の「有効化」をクリックします。

これで自動化の設定が完了です。フローに慣れるまで最初は苦労するかもしれませんが、Salesforceのフローは自動化を推進する強力なツールです。どんな自動化が行われているかや、こんな自動化をしたい、、、という相談は当社の「Salesforce運用・保守支援サポート」までお気軽にご相談ください。
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よくある質問(FAQ)
複雑な自動化はどこまでフローでできますか?
かつてはSalesforceの言語であるApexによるプログラミングが必要だった処理の多くが、今はフローで多くを完結することができます。 例えば、複数のレコードをループ(繰り返し)処理して計算したり、複雑な条件分岐を行ったりすることもノーコードで可能です。ただし、非常に大量のデータを一度に処理する場合や、極めて高度なロジックが必要な場合はApexが必要になるケースもあります。
メールの送信以外に、どのようなアクションが実行できますか?
Salesforce上のほぼすべての操作に加え、外部ツールとの連携も可能です。HTTPコールアウトによるAPI連携やSlackなど、フローと組み合わせたアクションは多岐にわたって自動化が可能です。
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まとめ
Salesforceの自動化は、現在「フロー(Flow Builder)」に一本化されています。まずは小さな通知設定や項目の自動更新からスモールスタートし、徐々に画面フローなどの高度な機能に挑戦していくことで、現場の業務効率は飛躍的に向上します。
自動化によって生まれた時間を、より創造的な業務や顧客との対話に充て、ビジネスの成長を加速させていきましょう。