成果直結のリード判別!Account Engagementの「グレーディング」活用方法 2025年08月20日

ウェブサイトの回遊や資料ダウンロードといった見込み客(プロスペクト)の行動を評価する「スコアリング」は、すでに多くのマーケティング担当者が活用しているでしょう。
しかし、スコアが高くても、自社のターゲットではない場合は営業はどんな感想を持つでしょうか? たとえば、せっかくスコアが高くても、それが学生や競合他社の人であれば、営業に引き渡しても商談にはつながりません。
そんな状況の解消に役立つ機能が「グレーディング」です。この記事では、Account Engagementのグレーディングの基本から、設定方法、具体的な活用方法までを分かりやすく解説します。
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AccountEngagementのグレーディングとは
AccountEngagementのグレーディングとは、リードの「質」を評価する指標のことを言います。辿ったページやメールクリックのような顧客行動に基づく「スコアリング」とは異なり、グレーディングは、顧客の部署や役職、会社の売上規模などを用います。例えばグレーディングを活用することで、顧客属性の役職が「社長」の顧客は、マーケではなく営業が直接担当させるようにする自動化設定を行うことができます。
スコアリングは「見込み客の関心」を示す指標であるのに対し、グレーディングは「私たちの見込み客に対する関心」を示す指標です。
グレーディングを活用することで、営業担当者が本当に追うべき、収益につながる可能性が高いリードに集中できるようになり、時間の無駄をなくし、会話をスムーズかつ適切に進めることができます。
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グレーディングの評価レベル
Account Engagementのグレーディングは、「A+」〜「F」までの13段階で評価することができます。「A+」は欲しい顧客の条件に合致している状態を指し、「F」は条件が合致していない状態として評価します。グレードのデフォルト(初期値)は「D」です。
顧客の属性が自社のターゲットに合致していればいるほど、商談確度が高いという判断材料になるため、評価を「A+」に向けてあげていきます。グレード評価の増減は、三段階(3/3)、二段階(2/3)、一段階(1/3)で設定可能です。例えば、重要な項目(役職)が合致している場合は三段階(3/3)の変動を設定するようにします。
初期値「D」の顧客が役職「課長」の場合に、2/3(2段階)の評価上げになると、C-に変わります。デフォルトのDからAのグレードに到達するためには、3項目以上で顧客属性の条件に合致する必要があります。
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グレーディングの設定方法
実際の操作画面をイメージしながら、設定手順を分かりやすく解説します。
- ステップ1:「プロファイル」を作成する
- グレーディングの基準となるプロファイルを作成します。
- Account Engagement「プロスペクト」>「セグメンテーション」>「プロファイル」に移動します。
- 既存プロファイルの編集、もしくは「プロファイルを追加」で設定画面を開きます。もし複数のプロファイルを必要としない場合は、初期から存在する「default」を編集しても問題ありません。
- ステップ2:グレーディングの「基準」を設定する
- グレーディングの評価項目を決めます。評価項目は「業種、企業規模、所在地」だけでなく、「年収や役職」など自社のターゲットになりうる属性を設定します。
- 設定が完了したら「保存」をクリックします。
- ステップ3:プロスペクトにプロファイルを割り当てる
- プロファイルを作成したら、プロファイルをプロスペクトに割り当てます。手動による割り当ても自動割り当て(オートメーションルールなど)のどちらも可能です。
- 手動の場合は、プロスペクトの画面から「編集」を開き、ステップ2で作成したプロファイルを割り当てます。
- ステップ4:グレーディングの評価を行う
- プロスペクトのプロファイル割り当てが済んだら、プロスペクトのレコード画面にあるタブ「プロファイル」をクリックして、評価を行います。
- 評価が完了した後にグレードを確認する場合は、プロスペクトのレコード画面「インサイト」にある項目「グレード」を確認します。
- ステップ1:「プロファイル」を作成する
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グレーディングの活用例
グレーディングは、それだけで営業・マーケティングに生かすことができますが、スコアリングと組み合わせることで、リードの質と興味の両面から評価して効果を最大化することができます。これら二つの指標は、プロスペクトが営業担当者とのコンタクト準備が整っているか(マーケティング認定リード:MQL)を判断するのに役立ちます。
【例1】「A」かつ「スコアが高い」リードを営業に連携する
グレード「A」かつスコア「高」のリードは、営業担当者が、質の低いリード(例:学生や競合他社、検討段階に至っていない場合など)に多くの時間を費やしてしまう非効率な状況を防ぐことができます。「従業員1,000名以上の製造業で役職が部長以上」の場合で高スコアのリードは、自動で営業担当者にアラートが届くように設定を行います。これによって、機会損失の発生を防ぎ、本当に価値のあるリードを営業に引き渡すことができて営業効率を高めることが可能です。
【例2】「C」以下のリードにナーチャリング施策を実施する
グレーディングの評価がCやDと低いリードには、見込み顧客を長期育成するためのシナリオを設定します。シナリオの長期育成によって、営業に引き渡すには早いリードでも、無駄なく効率的にマーケティング活動を継続でき、将来の有望なリードへと育成する可能性を高めることができます。 -
グレーディングはマーケティングと営業間の部門間対立を解消する?
マーケティングと営業の間で、グレードの明確な基準を持つことは、どんなリードを営業に渡すべきかの認識を統一することができます。よく起こりがちな「マーケティングが集めたリードが質が悪くて、使えない」と営業に判断され、結局活用されないまま放置されてしまう問題が克服できます。マーケティングの視点と営業の視点を合わせるためにグレーディングを活用すると良いでしょう。 -
まとめ
Account Engagementのグレーディングは、マーケティングや営業活動の効率を向上させるための重要な機能です。顧客の関心度を図るスコアリングとグレーディングを併用することで、「自社にとって理想的な顧客像に近く、かつ関心が高い」リードを特定することができます。
グレーディング設定は、自社の理想的な顧客像を定義し、それをシステムに落とし込む作業です。もし設定方法や運用方法でお困りでしたら、当社atsumelの「Account Engagement導入・運用」お手伝いいたします。これまで数多くの企業様を支援してきたノウハウを活かし、貴社のマーケティング成果を最大化するための最適なご提案をさせていただきます。ぜひお気軽にご相談ください。