不動産DX事例②:紙の来場アンケートを電子化して営業コスト削減を実現 2026年10月26日
モデルルームの来場アンケートは、予算から家族構成、希望間取り・面積、物件を知ったきっかけなど、営業活動からマーケティングまで役に立つ情報がたくさん詰まっています。一方で、たくさんの情報があるからこそ紙のアンケートを顧客管理に入力する転記が大変になっています。
土日祝日にたくさん来場されるお客様の紙のアンケートの転機作業に追われることで、営業本来の業務に専念できている環境を提供できているでしょうか?
本コラムでは、新築分譲マンションを販売する不動産会社が来場アンケートを電子化し、回答を商談データへ自動でつなげた事例を紹介します。
- CONTENTS
-
課題:紙アンケートの現場負荷
来場アンケートには、予算、年収、家族構成、住み替えの時期、物件を知ったきっかけ(認知媒体)など、数十の項目が並ぶことが一般的ですが、紙で回収した場合は、営業担当者がこれをシステムに転記する必要があります。
日中は接客に忙しいため転記する時間がなく、疲れ切った夜に入力することも珍しくありません。そうした疲れ切った中では、入力不備やミスがよく発生することもあり、現場からは入力負荷を減らして欲しいと要望が上がっていました。
紙アンケートの転記は他の作業にも影響していました。具体的には集計作業です。集計担当は、入力が終わるまで集計業務を進めることができないので、月曜の報告会議に間に合わせるために、いつもギリギリの集計作業に追われていました。
他方、経営視点で見ると、紙アンケートの入力精度が低いことは、正確な顧客分析に影響があり、最適な広告配分や価格戦略の意思決定に影響を及ぼしていました。
-
打ち手:アンケートをその場で電子化し、商談に直結させる
本コラムのDX事例は、来場アンケートを用意したタブレットに入力してもらうことで電子化を行います。タブレットによってデータ化されたアンケート結果は、顧客管理システムの顧客情報の商談情報に紐づいた形で保存されます。

さらに、回答するときに既に顧客システムに顧客の登録がある場合は、氏名や連絡先が入力された状態でフォームを開くことができるようにフォームを用意することで、来場者の入力の手間を省くことができます。
そうして取得した回答内容は、システム上の商談情報に自動で反映されて、さらに顧客の氏名や連絡先情報を照合した上で、登録が必要な顧客にアンケート結果が紐づきます。こうすることで、営業担当者の仕事は、アンケートの転記から、反映された内容を確認して接客や追客に生かすことへと変わっていきました。
-
実現方法:既存の仕組みを組み合わせ、小さく始めて広げる
本件の不動産DXは、すでに使っていた営業支援システム(Salesforce)と、メール配信などを担うマーケティングツール(Account Engagement)内のフォームを組み合わせて構築しています。

さらに来場時のアンケートに加えて、来場後のアンケートも取得を行い、来場前後でどのような変化が見られたのかを把握するようにしています。購入意欲や希望間取りなど次の営業アプローチに結びつく情報をアンケートで取得して、電子化による効率化以外の面で役立てています。
-
効果:営業が本来の仕事に集中できるようになり、集計も速くなった
<転記作業が無くなり、負荷軽減と接客と追客の本来の営業に時間を使えるようになった
これまで営業担当者は、来場者を見送ったあと、紙のアンケートを見ながら数十の項目をシステムに入力していて負荷が高くなっていました。
紙から電子化したことで、この転記作業はなくなり、来場者の回答はそのまま顧客管理システムの商談データに入り、担当者には通知が届きます。営業担当者は届いた内容を確認するだけで済み、空いた時間を次の接客や来場者への連絡に回せるようになりました。
即時に電子化できたことで、来場当日のうちに全ての回答内容が見られるので、予算や検討理由をふまえたうえで、次のアプローチに繋げることができます。営業担当者の仕事が、データを入力することから、データを生かして顧客と向き合うことへと変わりました。
副次的な効果:販売状況をリアルタイムに集計できるようになった
現場の負荷軽減以外にも、電子化したことの恩恵が得られています。それは、電子化したことでアンケートの回答が、すぐにデータに反映されるので、レポートやダッシュボードの数字を常に最新の状態にすることができています。

紙の運用だった時は、紙の転記が終わるのを待ってから集計を行うので、集計値がそろうのまでに時間がかかっていましたが、今週の来場数、資料請求から来場に至った割合、来場者の予算帯や物件を知ったきっかけなどを、物件ごとにリアルタイムですぐに確認できるようになりました。
-
まとめ
来場アンケートは、不動産会社で一般的に行われていますが、いまも紙のままで運用を行っており、転記の手間が現場の負荷になっているケースが多いと思います。
今回紹介した事例では、アンケートを電子化して商談データに直接つなげたことで、転記作業がなくなることで、接客や追客という本来の仕事に時間を使えるようになっていきます。さらに、回答がすぐにデータとして入るようになった結果、販売状況をリアルタイムに集計できるという効果も生まれました。
「来場アンケートの入力が追いついていない」「集計に毎週時間がかかっている」という課題をお持ちでしたら、まずは今の運用をお聞かせください。現在お使いのツールを生かした進め方を、貴社の状況に合わせてご提案します。